もしかして、デビュー?
受験前日、いつものようにみんなで勉強していたのですが、ひとまず受験の終わったMくんに、そうだ!と思いつき、指導に加わってもらいました。
真面目なMくんは、てっきり授業をさせられるのだと思ったようで(みんなに優しいと評判?の櫻井先生は、彼にとってはとってもこわーい先生らしく。)、真剣に授業?を始められました。
ときどき胸をさすって、息を大きく吐いて、呼吸を調えるMくん。そのドキドキして、緊張する様子が、私には初々しくて、本当に見ていてほのぼのしました。ほのぼのしている時ではなかったのですが、授業をすること、また、授業を見学されることに、なんの抵抗もなくなってしまった私にとって、授業をすることにドキドキすること自体が新鮮で、また、その教え子の、初めて授業するその一生懸命さが、とてもいじらしく思えました。
ほかの先生のの授業をする様子を拝見するのは、とても勉強になると実感しました。授業をすることに慣れてしまってははいけないと思います。その都度、自分なりに一生懸命ではあるけれど、いつしか授業することに慣れてしまって、そして、経験と共に、授業をすることに対する頭を下げるような、謙虚な気持ちを失ってはいないか、振り返るいい機会になりました。
ひとりひとり、同じ問題に対して、誰一人教え方が同じ人はいません。その人その人なりの教え方があります。授業には、その人のすべてが顕れます。研鑽しなければ、精進しなければ、若い彼の、教える姿に、新しい課題をいただいた気がしました。
続いて個別指導にも加わっていただきました。二人で一人を指導する、何ともリッチな個別指導。ちょっと口をはさみながら、でも、ほとんどMくんにお任せしました。教えられる人も教える人も、何とも嬉しそう!
個別指導の後も、Mくんは、中一生のRくんに一生懸命教えてくれました。
自習室での二人の様子が、迎えに来られたお母様には、とっても素敵な情景に思われたそうで、Mくんに素敵なお菓子を届けてくださいました。「なんか、一対一で、一生懸命教えてくれている様子が嬉しくて・・・。」
私は、M くんに、「初めてのバイト代ね!」とからかいました。
Mくんも、教えることの喜びに目覚めたようです。人の役に立つ実感。仕事をして得られたものから来る喜び。瓢箪から駒のような出来事がたくさんあった1日でした。
教室では、毎日、本当にいろんなことが起こります。そしてたくさんの発見があります。