大それた夢
私はショパンを通ってはいません。というよりそんなに弾けません。全然お弾きにならない方から見たら、弾けることになったとしても、弾けるうちには入りません。でもなぜ弾きたいかというと、映画『戦場のピアニスト』のせいです。一度目友人と映画館に観に行ったときは、二人とも最後まで観ることができませんでした。映画の中で、小さな男の子が撲殺される場面があって、当時まだ息子が幼くて、もう無理、というように映画館を出てしまいました。
この映画、冒頭の部分は、短調の有名なノクターンから始まり、まるでその後の主人公の苦難を予測させるような始まり方をするのですが、最後は、ピアニストである主人公が、オーケストラをバックに、「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」を弾いて、まるで、生きる喜びを取り戻したことを象徴するように、終わるのです。それがあまりに印象的で・・・。なんだか自分の人生においても、このポロネーズを弾けるようになりたい、みたいに、その頃ぼんやり考えたのだと思います。あまり楽譜が正確でなくて、ピアノの先生と一緒に困ったことがあったのですが、その当時、「戦場のピアニスト」のピアノ曲集を買って、順番に弾いていきたいと思ったのを思い出します。今日、久しぶりに開いてみたら、なんとバッハの「無伴奏チェロ組曲第一番ト長調BWV1007」も入っていました。しばらく練習してみましょう。